Lylics

 

金網のその向こう側           


会いたいと泣く鳴く私の上で
ただ雲は流れて止まらない
溢れて滴る朱い痛みは
ただその最期に向かう
だけど
祈る日々が続いてゆく
変わらぬ想いはいつも此処に


この丘の先
山の向こう
次の朝を
もっともっと
見てみたい

まだ終われない
まだあの海に眠れない
ねえ
でもちゃんと私は
貴方に辿り着けるかな


灯達が踊る闇の中で
唇象るのは誰の名前?
この両腕は次の空へ
その手に
花を教えましょう

貴方が消えてしまわぬように
生きてゆけるように
紡ぐの この全て

愛して放ち
恋焦がれて走って
溢れる感触
全てを力に進むと決めた


見せたいもの
話したいことを携えて

繰り返される悪夢でも
何度でも手を伸ばすよ

この躰朽ち果てる
その日まで





雨ざらしの森           


ほら少しずつ
近づいていく
ふたりの熱が
強い力で

戸惑いながら
震えながら
それでも
ただ消えたかったの

貴方の腕に
抱かれたまま
貴方の腕に
抱かれたまま

貴方の奥の
優しく綺麗な闇を見たわ
私の奥の
小さな狂気は
その舌に呑まれた


ほら少しずつ

気付いていく


貴方の奥の
優しく綺麗な闇を見たわ
私の奥の
小さな狂気は
その舌に呑まれた




流跡           


もういいよ
眼を閉じて
夢の中
どうか会えますように

ウタ歌って
途方に暮れて
さまよって
縺れて汚れても
愛したいの


行方不明になった
命 感情
言葉 記憶
躰 長い髪
届かない手紙 想い出

許すために扉開けたのに
許せないもの数えてばかり
ひとつふたつ数えている

ひとつ…ふたつ…

ウタ歌って
途方にくれて
さまよって
縺れて汚れても
愛したいの

消えていくものを歌うわ
あなたのことや
私のことを

さぁ恐れず
眼を開けて
こんな場所から
抜け出すの

愛歌って
途方にくれて
さまよって
縺れて汚れても
愛したいの


残るものを歌うわ
交わしたキスや
本当のことを